ドレスデン国立歌劇場管弦楽団450周年記念CD

ドイツ・グラモフォン ( DGG 459 159-2 )  "450 JAHRE SÄCHSISCHE STAATSKAPELLE DRESDEN 1548-1998" にカラヤンの音源が入っていることを確認した。

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カルロス・クライバー、フランツ・コンヴィチュニーカール・ベーム等蒼々たるメンバーの中に、カラヤンも1972年のザルツブルク音楽祭で共演したシューマン交響曲第4番の終楽章が収録されている。

1972年のザルツブルク音楽祭では、8月13日の「第8回オーケストラ・コンサート」にドレスデン国立歌劇場管弦楽団と出演している。

曲目はベラ・バルトーク/ピアノ協奏曲第3番(ケーザ・アンダ)とローベルト・シューマン交響曲第4番の2曲であった。

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【DG 447 666-2】FESTSPIEL DOKVMENTE

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ザルツブルク音楽祭」には、この1972年のほかにも、1965年と1976年にもドレスデン国立歌劇場管弦楽団と共演している。

また、1970年にEMIに収録した、ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲盤も忘れることの出来ない録音である。

 

録音データの更新

カラヤンのCD再発に当たって、それぞれの録音データを確認しておかないと新しいデータになっていたりして、旧来のものが更新されている場合がある。

そんな時は、「レコード芸術」誌の巻末『新譜一覧表』か、毎年1月号に付録として付く「レコード イヤー・ブック」が大変重宝する。

さて先月、3月23日にワーナー・クラシックスから再発されたEMI録音の「ハイドン交響曲第101番「時計」と第83番「牝鶏」がデータ更新されている。

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【WPCS 23224】

旧来のデータは、2曲で「1971年8月20日、23日 サンモリッツ・フランス教会」となっていたのだが、WPCS23224のデータでは交響曲第101番「時計」が8月23日、 第83番「牝鶏」の録音日が8月20日と分離して記載されている。

2曲が別々の日に1曲ずつ録音されていたことが判明した。

夏期のサンモリッツでの録音は、ザルツブルク音楽祭の中日を終えてから大取りの演奏会の前の、わずかな期間に行なわれていたもので小編成の楽曲が取り上げられた。

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この2枚の写真は、サンモリッツのフランス教会での録音セッションの様子だが、1971年のハイドンのセッションではなく、翌72年のヴィヴァルディ/「四季」の時のものである。

 

R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」作品40

カラヤンはR.シュトラウスの楽曲・オペラを好んで演奏したが、中でも交響詩英雄の生涯」作品40の演奏頻度は抜きん出ている。

生涯の演奏会記録(オペラ公演も含む3540回)からでも、合計72回を確認できる。

最初は1933年11月26日のウルム歌劇場管弦楽団との演奏である。

聴き応えがある曲だけに、海外公演でもよく取り上げられた。

上の極く短い映像は、1969年5月にプラハを訪れた際のリハーサル映像である。

テレモンディアルでの正規映像作品では、1985年2月に収録されたベルリン・フィル(レオン・シュピーラーのヴァイオリン・ソロ)のものが発売されている。

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ソニークラシカル SIBC8】

4月5日 誕生日

4月5日はカラヤンの誕生日です。

今年は108回目の誕生日に当たります。

アニフ村に行く予定が立たないでおりますが、アニフ教会の鐘の音を聴いてみたいと思います。 

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 この写真はカラヤンの生涯最後の撮影といわれるものです。

落ち穂ひろい

このところ、カラヤンの新しい音源が全く出てこない。

以前はベルリン・フィルの海外公演やザルツブルク音楽祭のドキュメント音源が、たくさんCD化され発売されたが、昨年2月にCD化された、ウィーン・フィルとの1964年ブカレスト公演のモーツァルト交響曲第40番とブラームス交響曲第1番から、1年も経ってしまった。

カラヤン没後ライブ音源とは別に、ドイツ・グラモフォンに正規に録音され、収録当時に発売されなかった音源がCD化されたことがあった。

録音順に並べてみると次のようになる。

1966年8月17~23日-ヴィクトリアザールサンモリッツ
J.S.バッハ/ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調  BWV.1041

        ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調  BWV.1042

        2つのヴァイオリンのための協奏曲  BWV.1043
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団クリスティアン・フェラス(Vn)/ミッシェル・シュヴァルベ(Vn)

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1969年1月、4月-イエス・キリスト教会、ダーレム
ベートーヴェン/祝賀メヌエット WoO3

                             騎士舞踊のための音楽 WoO1
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1969年4月28~29日-イエス・キリスト教会,ダーレム
J.シュトラウスポルカ「愛の使者」作品317

                                ポルカ「浮気心」作品319

ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「天体の音楽」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1972年2月17日、27日-イエス・キリスト教会、ダーレム

            3月-祝祭大劇場、ザルツブルク
ギリシャ国歌

デンマーク王室賛歌
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1972年8月15~21日/フランス教会、サンモリッツ
ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の霊感」作品3より第1番 ニ長調  RV549

                                                                                      第4番 ホ短調  RV550

                                                                                      第7番 ヘ長調  RV567

                                                                                      第10番 ロ短調  RV580
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ミシェル・シュヴァルベ(Vn)/トーマス・ブランディス(Vn)/レオン・シュピーラー(Vn)/ハンス=ヨアヒム・ヴェストファル(Vn)/エーベルハルト・フィンケ(Vc)/ホルスト・ゲーベル(Cemb)

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このようなお蔵入りになっていた音源は、外に存在しないのだろうか?

カラヤンの録音セッションの写真をみると、指揮台の脇にモニタールームと直結するホットラインと『録音中』を示す、赤いランプが立っている。

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カラヤンの録音セッションでは、ほとんどの時間マスターテープを録音状態のままにしてあったとも仄聞する。

ひとつの楽曲が完全でなく部分的でも、わずかの時間でも、その録音過程の音源が公開されることはないのであろうか。

カラヤンのだみ声とオーケストラ楽員のやり取りでも、興味深い音源になると思う。

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わずかでも、「落ち穂ひろい」が行なわれることを期待したい。

 

 

 

レオンティーン・プライス/クリスマス曲集

カラヤンの数ある録音の中でも、12月のこの時期、特に売れ続けている一枚がある。

1961年にイギリス・デッカのジョン・カルショウのチームとウィーンのゾフィエン

ザールで収録した、レオンティーン・プライスを起用した「クリスマス曲集」である。

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収録されてる曲は次の通りである。

①グルーバー(マイヤー編)/きよしこの夜

メンデルスゾーン(マイヤー編)/天には栄え

③ホプキンス(マイヤー編)/われら東方の3人の王

④民謡(マイヤー編)/荒れ野の果てに

⑤もみの木

⑥ともによろこびすごせ

⑦ウィリス(シアズ編/マイヤー編)/あめなる神には

⑧J.S.バッハ(ルター編/マイヤー編)/高き天より

⑨民謡/幼子イエス

シューベルト(サヴァティーニ編)/アヴェ・マリア D.839

⑪アダン(トゥッツァウアー編)/オー・ホーリー・ナイト

⑫グノー(サヴァティーニ編)/アヴェ・マリア

モーツァルト/モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165より「アレルヤ

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン・グロスシュタット少年合唱団、

ウィーン楽友協会合唱団が共演している。

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この年の12月に発売させるために、録音は6月3日から5日の3日間に行なわれてい

る。6月にクリスマス曲を録音するとは、歌う側、録音する側は、どんな気持ちだった

のであろうか?

だが録音から半世紀以上も経っても聴き継がれるというのは、すばらしいことである。

これらの曲の選び出しや収録順の決定にカラヤン自身は、どの程度関わったのであろうか?

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手持ちの写真の中から、カラヤンとプライスが一緒に写っているいるものを捜してみたら、この一枚があった。

ちょっと後ろ姿なのだけども、キャプションは1963年11月・ゾフィエンザールで「カルメン」録音セッションと書かれている。

ショスタコーヴィチ/交響曲第9番

カラヤンの生涯にわたっての演奏会記録にも、膨大な量の盤歴(レコーディング歴)にも、ショスタコーヴィチ交響曲第9番作品70は存在しない。

ところがだいぶ以前に、NHK-FM放送ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮チャイコフスキー音楽院管弦楽団の演奏とする、ショスタコーヴィチ交響曲第9番の音源が放送されたことがあった。

それは1975年の11月26日の「FMコンサート/ベルリン・フィル・シリーズ」の中で、ベルリン・フィルのライブ音源放送の後に、「ベルリン・フィル物語」と題してドイチェ・ベレ放送協会提供の録音テープに解説を付けて、5回に分けて放送された最終回「さまざまな活動と未来への展望」の中でのことであった。

解説は丸山桂介氏が担当し、第1楽章のわずか40秒ほどのものであった。

カラヤン財団」は1969年から、9月のシーズンの始まりで1年ごとに、「指揮者コンクール」と世界各国の青少年オーケストラをベルリンに招きミーティングを行ない、選抜メンバーによる演奏会を開く催しを行なっていた。

この「国際青少年オーケストラ」を指揮したカラヤンの演奏会記録は、次の4回が確認できる。

1970年9月27日 ブラームス交響曲第2番

1972年9月27日 モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番(ダヴィツト・オイストラフ

1974年9月24日 モーツァルト/3台のピアノのための協奏曲(ポミエ/フランツ/カラヤン

1976年9月26日 ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲

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この写真は、ベルリン・フィルのブレッター70/71年シーズンの第2号巻頭に掲載されているものであるが、1970年9月27日のブラームス交響曲第2番演奏時のものとされる。

隔年に行なわれた「指揮者コンクール」は受賞者が決定されるわけであるから、マスコミ向けの資料や写真は多く存在するのだが、選抜された「国際青少年オーケストラ」については詳しいことが全くわからない。

チャイコフスキー音楽院管弦楽団が何年に参加したのかもわからない。

ただ、カラヤンが演奏会で取り上げたことのない曲を青少年オーケスト相手に指揮する可能性はほとんどなく、ドイチェ・ベレ放送協会の間違いであると考えられる。

「国際青少年オーケストラ」について、当時参加された方、選抜演奏会を聴かれた方など、何かご存じの方がいらっしゃれば、詳しいことをご教授ください。