ウィーン直行便の廃止

オーストリア航空が成田~ウィーン(シュヴェヒャート空港)間を毎日運行している【OS51便(復路)/OS52便(往路)】が、この夏運行を終了する。

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9月4日(日曜日)のOS52便がラスト・フライトになる。運行を始めたのは1989年7月で、奇しくもカラヤンが亡くなったその日であり、28年間の運行に幕を下ろす事になる。

成田をお昼前に飛び立ち、時差の関係でウィーンに着くのは夕方で、ホテルにチェックインしたとしても、十分にその日の国立歌劇場の公演や楽友協会の演奏会に間に合うという、日本人にとってなじみの深い路線であった。

オーストリア航空では、この春からウィーン~上海便をデイリー運行していて、成田便を廃止する翌日からは、ウィーン~香港便を運行すると発表されていて、完全な中国市場へのシフト変更で日本市場は見放されてしまった形となった。

OS52便・OS51便は、これまで10回以上も利用してきただけに、大変残念な決定となった。深紅の客室乗務員の制服の色は印象的であり、復路のOS51便では食事の合間にキチンラーメンが出されることがあった。カップをあけて、前から順番にお湯を入れてもらうのだか、銀色ポットのお湯はそれほど熱くなく、後ろの方の座席までくる頃にはぬるま湯になってしまっていて、中途半端なカップラーメンとなってしまうのだが、客室がチキンラーメンの香りに包まれたのもたのしい想い出であった。

これからウィーンへ入るときは、全日空ミュンヘン便やルフトハンザのフランクフルト便から乗り継ぎが考えられる。

アニフ村が少しだけ遠くになったてしまった気がする。

 

 

 

 

ジョン・ハント 「ディスコグラフィ」第4版

イギリスのジョン・ハント氏の「ヘルベルト・フォン・カラヤン ディスコグラフィ」"philharmonic autocrat" (音楽の独裁者)の第4版が届いた。

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第1版は1993年の発行であったから、版を重ねて23年が経ていることになる。

細かいデータを丁寧に扱っておられるが、ハント氏は相当に高齢になっておられるはずだ。

というのは、カラヤンの最晩年の欧州公演(ベルリン、ザルツブルク、ロンドン、パリ、ウィーン公演など)は実際に可能な限り聴かれていたようで、プログラムを送っていただいたこともあったからだ。

第4版は全443ページで、編年体ディスコグラフィ」の001番は、1938年12月9日のベルリン国立歌劇場管弦楽団とのモーツァルト/歌劇「魔笛」序曲に始まり、最後の1989年4月23日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのブルックナー交響曲第7番は889番となっている。

また、4版は価格の記載がなく、国内のCDショップ店頭に並ぶかどうかは判らないが、イギリスのアマゾンでは24.95ポンド(送料別)で購入することが可能のようだ。

 

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団450周年記念CD

ドイツ・グラモフォン ( DGG 459 159-2 )  "450 JAHRE SÄCHSISCHE STAATSKAPELLE DRESDEN 1548-1998" にカラヤンの音源が入っていることを確認した。

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カルロス・クライバー、フランツ・コンヴィチュニーカール・ベーム等蒼々たるメンバーの中に、カラヤンも1972年のザルツブルク音楽祭で共演したシューマン交響曲第4番の終楽章が収録されている。

1972年のザルツブルク音楽祭では、8月13日の「第8回オーケストラ・コンサート」にドレスデン国立歌劇場管弦楽団と出演している。

曲目はベラ・バルトーク/ピアノ協奏曲第3番(ケーザ・アンダ)とローベルト・シューマン交響曲第4番の2曲であった。

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【DG 447 666-2】FESTSPIEL DOKVMENTE

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ザルツブルク音楽祭」には、この1972年のほかにも、1965年と1976年にもドレスデン国立歌劇場管弦楽団と共演している。

また、1970年にEMIに収録した、ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲盤も忘れることの出来ない録音である。

 

録音データの更新

カラヤンのCD再発に当たって、それぞれの録音データを確認しておかないと新しいデータになっていたりして、旧来のものが更新されている場合がある。

そんな時は、「レコード芸術」誌の巻末『新譜一覧表』か、毎年1月号に付録として付く「レコード イヤー・ブック」が大変重宝する。

さて先月、3月23日にワーナー・クラシックスから再発されたEMI録音の「ハイドン交響曲第101番「時計」と第83番「牝鶏」がデータ更新されている。

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【WPCS 23224】

旧来のデータは、2曲で「1971年8月20日、23日 サンモリッツ・フランス教会」となっていたのだが、WPCS23224のデータでは交響曲第101番「時計」が8月23日、 第83番「牝鶏」の録音日が8月20日と分離して記載されている。

2曲が別々の日に1曲ずつ録音されていたことが判明した。

夏期のサンモリッツでの録音は、ザルツブルク音楽祭の中日を終えてから大取りの演奏会の前の、わずかな期間に行なわれていたもので小編成の楽曲が取り上げられた。

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この2枚の写真は、サンモリッツのフランス教会での録音セッションの様子だが、1971年のハイドンのセッションではなく、翌72年のヴィヴァルディ/「四季」の時のものである。

 

R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」作品40

カラヤンはR.シュトラウスの楽曲・オペラを好んで演奏したが、中でも交響詩英雄の生涯」作品40の演奏頻度は抜きん出ている。

生涯の演奏会記録(オペラ公演も含む3540回)からでも、合計72回を確認できる。

最初は1933年11月26日のウルム歌劇場管弦楽団との演奏である。

聴き応えがある曲だけに、海外公演でもよく取り上げられた。

上の極く短い映像は、1969年5月にプラハを訪れた際のリハーサル映像である。

テレモンディアルでの正規映像作品では、1985年2月に収録されたベルリン・フィル(レオン・シュピーラーのヴァイオリン・ソロ)のものが発売されている。

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ソニークラシカル SIBC8】

4月5日 誕生日

4月5日はカラヤンの誕生日です。

今年は108回目の誕生日に当たります。

アニフ村に行く予定が立たないでおりますが、アニフ教会の鐘の音を聴いてみたいと思います。 

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 この写真はカラヤンの生涯最後の撮影といわれるものです。

落ち穂ひろい

このところ、カラヤンの新しい音源が全く出てこない。

以前はベルリン・フィルの海外公演やザルツブルク音楽祭のドキュメント音源が、たくさんCD化され発売されたが、昨年2月にCD化された、ウィーン・フィルとの1964年ブカレスト公演のモーツァルト交響曲第40番とブラームス交響曲第1番から、1年も経ってしまった。

カラヤン没後ライブ音源とは別に、ドイツ・グラモフォンに正規に録音され、収録当時に発売されなかった音源がCD化されたことがあった。

録音順に並べてみると次のようになる。

1966年8月17~23日-ヴィクトリアザールサンモリッツ
J.S.バッハ/ヴァイオリン協奏曲 第1番イ短調  BWV.1041

        ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調  BWV.1042

        2つのヴァイオリンのための協奏曲  BWV.1043
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団クリスティアン・フェラス(Vn)/ミッシェル・シュヴァルベ(Vn)

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1969年1月、4月-イエス・キリスト教会、ダーレム
ベートーヴェン/祝賀メヌエット WoO3

                             騎士舞踊のための音楽 WoO1
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1969年4月28~29日-イエス・キリスト教会,ダーレム
J.シュトラウスポルカ「愛の使者」作品317

                                ポルカ「浮気心」作品319

ヨーゼフ・シュトラウス/ワルツ「天体の音楽」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1972年2月17日、27日-イエス・キリスト教会、ダーレム

            3月-祝祭大劇場、ザルツブルク
ギリシャ国歌

デンマーク王室賛歌
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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1972年8月15~21日/フランス教会、サンモリッツ
ヴィヴァルディ/協奏曲集「調和の霊感」作品3より第1番 ニ長調  RV549

                                                                                      第4番 ホ短調  RV550

                                                                                      第7番 ヘ長調  RV567

                                                                                      第10番 ロ短調  RV580
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ミシェル・シュヴァルベ(Vn)/トーマス・ブランディス(Vn)/レオン・シュピーラー(Vn)/ハンス=ヨアヒム・ヴェストファル(Vn)/エーベルハルト・フィンケ(Vc)/ホルスト・ゲーベル(Cemb)

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このようなお蔵入りになっていた音源は、外に存在しないのだろうか?

カラヤンの録音セッションの写真をみると、指揮台の脇にモニタールームと直結するホットラインと『録音中』を示す、赤いランプが立っている。

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カラヤンの録音セッションでは、ほとんどの時間マスターテープを録音状態のままにしてあったとも仄聞する。

ひとつの楽曲が完全でなく部分的でも、わずかの時間でも、その録音過程の音源が公開されることはないのであろうか。

カラヤンのだみ声とオーケストラ楽員のやり取りでも、興味深い音源になると思う。

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わずかでも、「落ち穂ひろい」が行なわれることを期待したい。