ゴールド・ジャケット
レコード時代の1970年~80年代、ドイツ・グラモフォンには「シルバー・ジャケット」という規定があった。
これは、発売前よりある程度売り上げが見込まれる、いわゆる『定番』になり得る録音盤に対して、ジャケットを銀色で飾るというものである。
カラヤンの場合は、1970年録音の「クリスマス協奏曲集」と翌年に発売された「白鳥の湖/眠りの森の美女・組曲」の2枚が、シルバー・ジャケットに該当する。
マルタ・アルゲリッチやカルロス・クライバーのレコードにも、それぞれシルバー・ジャケットがある。
ところが、1972年録音のヴェルディ/レクイエムの箱は、金地にタイトルとカラヤンの顔が深紅色で抜かれるというものであった。
更に国内盤(MG9650~1)は金色の縦帯が付いて発売された。
これは、シルバー・ジャケットの上のゴールド・ジャケットと考えていいだろう。
もちろん、この録音は『定番盤』として、永く聴かれたアルバムであった。
シルバー・ジャケットは廉価版になっても、シルバー地で飾られることがあったが、70年代の録音には、時を経ても聴き継がれる録音がいくつも存在する。
【イエス・キリスト教会で行なわれた、1972年1月のヴェルディ/レクイエムの録音セッション。 ミレッラ・フレーニ、クリスタ・ルートヴッヒ、カルロ・コッスッタ、ニコライ・ギャウロフの布陣に、合唱指揮はヘルムート・フロシャウアーである。】