1964年・ブカレスト・ライブCD
今年の2月、エレクトレコードより1964年9月15日のブカレスト・ライブ音源が発売された。【販売・東武ランドシステム ERT1027-2 】
当時ルーマニアで行なわれていた、「エネスコ音楽祭」にウィーン・フィルと出演した際の記録で、モーツァルトの交響曲第40番とブラームスの交響曲第1番である。
カラヤンの演奏会での、モーツァルトの交響曲第40番の演奏頻度は極端に低く、このCDは非常に貴重な音源であることは云うまでもない。
80年代から90年代に、イギリスやドイツのカラヤン・コレクターとライブ音源を交換したが、この「ブカレスト・ライブ」はその膨大なリストに載っていなかった。
また、このCDのライナーノートには、当時のルーマニア国営エレクトレコードでは、「音楽祭記念盤」で少数の2枚組LPレコードを製作・販売したことと、今回のCD化にたっては、マスターテープによって行なわれたことが書かれてあった。
2枚組LPレコードの存在は全く知らず、驚きであった。
ただ残念なことに、この9月15日の演奏会ではモーツァルトの後にR.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」が演奏されており、それがないことである。また、60年代前半のウィーン・フィルの国外演奏会ではアンコール曲もあったであろうから、たとえばカラヤンが得意の「天体の音楽」や「うわごと」がアンコール・ピースが演奏されていたかもしれない。
2015年にCD化された音源は、今後永久に伝えられていくであろうが、この時点でCD化されなかった曲は、日の目を見ることが永久に閉ざされてしまったわけである。
2枚組のCDの販売で、価格が倍になったとしても、マスターテープが存在しているのだから、一日分全体のCD化をして欲しかったところである。