汽車と駅は大嫌い?

ホイサーマンの伝記に次のような一節がある。

「わたしは汽車と駅が大嫌いだ。汽車や駅はにはいつもなにか敵意みたいなものがある。二つとも、私が指揮者の地位を捜して町から町へと旅行していたときのことを思い出させるのだ。」【「カラヤン 人と芸術」猿田悳・訳 東京創元社 70ページ】

このカラヤンの言葉は、1981年の来日の際にTBSテレビ(テレビマンユニオン)が制作したドキュメンタリー番組にも使われたため、結構印象に残ったものだった。

「町から町へと旅行していたとき」とは、当然ウルム、アーヘンで活躍していた戦前の話である。

50年代の写真を捜すと、列車で移動しているものがあるが、1966年の日本公演の時は、開業間もない「東海道新幹線」に乗り、日本の最新技術を堪能したようだ。

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【新幹線の食堂車(ビュッフェ)にあったスピードメーターの前で、時速200キロを確認するカラヤン

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新大阪駅・新幹線ホームのカラヤン夫妻。 ホームの案内板は「15時発・東京行き」を示している。