サル・プレイエル

ベルリン・フィルの「デジタル・コンサートホール」のデータで、バッハ/「ブランデンブルク協奏曲 第3番」と「管弦楽組曲 第2番」の収録日が1967年5月10日で、収録会場がパリのサル・プレイエルとなっている。 

パリのプレイエル(Salle Pleyel)が、録音場所としてデータに登場するのは初めてのケースである。

以前の「アニフ村だより」の記事で取り上げた際は、収録場所をベルリンに戦前からあるような中小のホールの可能性を推測したが、パリとは盲点であった。

国内盤のDVD(DLVC-9001)の解説書では、サン・モリッツでの夏場の収録との推測がされていたが、わざわざ15分ほどの曲2曲ために、映像収録機材をサン・モリッツまで移動するのは無理があると思われた。

カラヤンとフランスとの繋がりは深いものがある。

ただ、演奏会記録と付き合わせると、1967年4月30日ミュンヘンに始まるドイツ国内演奏旅行に出ており、5月8-9日はパリのシャンゼリゼ劇場、10-11日はロンドンのロイヤル・フェスティバルホール、14-15日はイタリアのフィレンツェで演奏会が催されている。

5月10日のデータが正しいとすれば、前日の晩に演奏会を行なった翌日の午前中、もしくはお昼過ぎまでに、バッハの映像2曲を収録して、空路ロンドンへ移動してその晩に演奏会を持ったことになる。

ちなみに、パリとロンドンの演奏曲は以下の通りである。

5月 8日 モーツァルト/ディヴェルティメント第15番

      ショスタコーヴィチ交響曲第10番

5月 9日 バッハ/ブランデンブルク協奏曲第2番

      シューマン交響曲第4番

      ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌボレロ

5月10日 【バッハ/2曲・映像収録】

      モーツァルト/ディヴェルティメント第15番

      ベルリオーズ幻想交響曲

5月11日 バッハ/ブランデンブルク協奏曲第6番

      シューマン交響曲第4番

      ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌボレロ

なお、10日のロンドンの開演時間は21:00と推定される。