モーツァルト/ピアノ協奏曲第21番・第2楽章
1978年6月、カラヤンとベルリン・フィルはスイスでの公演を終えてフランスのパリで3回の演奏会を持った。
6月24日はパリ・テレビのスタジオでの演奏会で、映像栄えする作品やカラヤン馴染みのソリストを迎えての作品が演奏された。
このモーツァルトのピアノ協奏曲第21番はアレクシス・ワイセンベルクを迎えての演奏だが、第2楽章はカラヤン自身がピアノに向かった珍しい映像である。
カラヤンが幼年期よりピアノの習得を学んでいたことは伝記などで語られているところだが、指揮者になってもチェンバロを弾くことがあり、レコーディングや映像作品に記録されている。
パリ・テレビの特別コンサートは、ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲にはじまり、最後のムソルグスキー(ラヴェル)/組曲「展覧会の絵」より「キエフの大門」まで、司会者との対談などをはさみ、全11曲が演奏された3時間近い番組となった。
フランスでこのような特別な企画が実現したことは、カラヤンの側近であったミシェル・グロッツの手腕が発揮されたものと思われる。