1979年普門館・ヴェルディ/「レクイエム」

1979年10月、新芸術家協会招聘によるカラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の東京公演が杉並区にある普門館という巨大ホールで行なわれた。

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全9公演の内、後半5公演は初来日のウィーン楽友協会合唱団との共演で合唱付楽曲が演奏された。

合唱付楽曲は10月24日と最終日の26日がともに、ヴェルディの「レクイエム」と発表され、なぜ同じ曲を2回やるのかと訝しく思われた。

せっかく、ウィーン楽友協会合唱団が来日するのだから、バッハの「ロ短調ミサ曲」やベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」でも演奏して欲しいところであった。

チケットは一般発売に先だって、前半と後半の4公演ずつが同一席で聴ける「セット券」となって販売された。

ここでは、10月24日の公演分が単独チケット発売のみの別扱いとされた。

この前売りチラシは2種類存在し、一般発売日の4月8日の日付け入りのものは、演奏会の日付け順に並んでいるものの、ソリストの名前が空白になっているという奇妙なものであった。

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では何故、ヴェルディの「レクイエム」を2回行なったのかと推測すると、24日分を映像収録(テレビ中継)するために、別契約の交渉がなされていたのではないだろうか?

この公演の一般プレス発表が行なわれたのは、1月半ばで、前年の12月にはすでに詳細は決定されていて、映像収録の予定も当然検討されていたと考えられる。

実際には、どの日の演奏会も映像収録(テレビ中継)は行なわれなかったが、もし実現したとしたら、どんなにか良かったであろう。

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【10月24日 ヴェルディ/「レクイエム」 フレー二、バルツァ、カラヤン、リマ、ギャウロフとウィーン楽友協会合唱団】