レオンティーン・プライス/クリスマス曲集

カラヤンの数ある録音の中でも、12月のこの時期、特に売れ続けている一枚がある。

1961年にイギリス・デッカのジョン・カルショウのチームとウィーンのゾフィエン

ザールで収録した、レオンティーン・プライスを起用した「クリスマス曲集」である。

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収録されてる曲は次の通りである。

①グルーバー(マイヤー編)/きよしこの夜

メンデルスゾーン(マイヤー編)/天には栄え

③ホプキンス(マイヤー編)/われら東方の3人の王

④民謡(マイヤー編)/荒れ野の果てに

⑤もみの木

⑥ともによろこびすごせ

⑦ウィリス(シアズ編/マイヤー編)/あめなる神には

⑧J.S.バッハ(ルター編/マイヤー編)/高き天より

⑨民謡/幼子イエス

シューベルト(サヴァティーニ編)/アヴェ・マリア D.839

⑪アダン(トゥッツァウアー編)/オー・ホーリー・ナイト

⑫グノー(サヴァティーニ編)/アヴェ・マリア

モーツァルト/モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」K.165より「アレルヤ

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とウィーン・グロスシュタット少年合唱団、

ウィーン楽友協会合唱団が共演している。

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この年の12月に発売させるために、録音は6月3日から5日の3日間に行なわれてい

る。6月にクリスマス曲を録音するとは、歌う側、録音する側は、どんな気持ちだった

のであろうか?

だが録音から半世紀以上も経っても聴き継がれるというのは、すばらしいことである。

これらの曲の選び出しや収録順の決定にカラヤン自身は、どの程度関わったのであろうか?

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手持ちの写真の中から、カラヤンとプライスが一緒に写っているいるものを捜してみたら、この一枚があった。

ちょっと後ろ姿なのだけども、キャプションは1963年11月・ゾフィエンザールで「カルメン」録音セッションと書かれている。

ショスタコーヴィチ/交響曲第9番

カラヤンの生涯にわたっての演奏会記録にも、膨大な量の盤歴(レコーディング歴)にも、ショスタコーヴィチ交響曲第9番作品70は存在しない。

ところがだいぶ以前に、NHK-FM放送ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮チャイコフスキー音楽院管弦楽団の演奏とする、ショスタコーヴィチ交響曲第9番の音源が放送されたことがあった。

それは1975年の11月26日の「FMコンサート/ベルリン・フィル・シリーズ」の中で、ベルリン・フィルのライブ音源放送の後に、「ベルリン・フィル物語」と題してドイチェ・ベレ放送協会提供の録音テープに解説を付けて、5回に分けて放送された最終回「さまざまな活動と未来への展望」の中でのことであった。

解説は丸山桂介氏が担当し、第1楽章のわずか40秒ほどのものであった。

カラヤン財団」は1969年から、9月のシーズンの始まりで1年ごとに、「指揮者コンクール」と世界各国の青少年オーケストラをベルリンに招きミーティングを行ない、選抜メンバーによる演奏会を開く催しを行なっていた。

この「国際青少年オーケストラ」を指揮したカラヤンの演奏会記録は、次の4回が確認できる。

1970年9月27日 ブラームス交響曲第2番

1972年9月27日 モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第5番(ダヴィツト・オイストラフ

1974年9月24日 モーツァルト/3台のピアノのための協奏曲(ポミエ/フランツ/カラヤン

1976年9月26日 ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲

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この写真は、ベルリン・フィルのブレッター70/71年シーズンの第2号巻頭に掲載されているものであるが、1970年9月27日のブラームス交響曲第2番演奏時のものとされる。

隔年に行なわれた「指揮者コンクール」は受賞者が決定されるわけであるから、マスコミ向けの資料や写真は多く存在するのだが、選抜された「国際青少年オーケストラ」については詳しいことが全くわからない。

チャイコフスキー音楽院管弦楽団が何年に参加したのかもわからない。

ただ、カラヤンが演奏会で取り上げたことのない曲を青少年オーケスト相手に指揮する可能性はほとんどなく、ドイチェ・ベレ放送協会の間違いであると考えられる。

「国際青少年オーケストラ」について、当時参加された方、選抜演奏会を聴かれた方など、何かご存じの方がいらっしゃれば、詳しいことをご教授ください。

 

 

後援会限定・特別仕様CD盤

ザルツブルクイースター音楽祭には、発足当時から登録制の後援会があった。

会員にはカラヤンの直筆サインの入ったレコード・セットなどが配られていたが、カラヤン没後も節目の年など、折々に特別仕様のCDが製作されていたようだ。

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このCDはドイツ・グラモフォン仕様で、445 148-2という番号を持つが、一般のCDショップでは購入できない後援会会員向けのものである。

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ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、レッラ・クベッリ(S)、ヘルガ・ミュラー=モリナーリ(A)、ヴィンスン・コール(T)、フランツ・グルントヘーバー(Bs)、ウィーン楽友協会合唱団によるものである。

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これは1986年9月に、テレモンディアルによって収録され、ソニー・クラシカルで販売された映像作品から、特別にCD化されたもので、関係者のみに配布されたものである。

このほかにも、いくつかのCD盤が存在するようだ。

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ザルツブルク空港

Pointing: Flughafen — Play 24 hours

現在、世界各地にライブ・カメラが設置されていて、リアルタイムで映像を見ることが出来る。

アニフ村には、まだライブ・カメラの設置はないようだが、ザルツブルク市内中心部には、いくつかのカメラがある。

アニフ村に一番近いところは、ザルツブルク空港になる。ちょうど市の中心からアニフ村への中間地点にあたる。 滑走路は長くないので大型機の離発着は出来ず、ボーディング・ブリッヂもなく、乗り降りする乗客はゲート口より駐機場所まで歩いてゆかなくてはならない。雨の日は傘を差して行かなくてはならない。

ライブ・カメラを覗いていると、その様子もよくわかる。

カラヤンもこの空港に専用の格納庫を持ち、ファルコン10で飛行を繰り返していた。

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映像で駐機場・滑走路が雨で濡れていれば、アニフ村も降雨していて、カラヤンの墓石も濡れていることになる。

今まで何回かこの空港を利用したが、また降り立ってみたい空港である。

【新譜】R.シュトラウス/ウィーン・フィル

ご紹介が遅くなったが、今月初旬より「ザルツブルク音楽祭」のライブ音源・新譜がCDショップに並んでいる。

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【C909 151B】

ORFEO D'OR の「フェスティヴァル・ドキュメント・シリーズ」で、1964年8月30日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との演奏会より、R.シュトラウス交響詩ドン・キホーテ」と交響詩ツァラトゥストラはかく語りき」の2曲である。

ソリストはピエール・フルニエ(チェロ)とルドルフ・シュトレング(ヴィオラ)である。

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同じソリストと曲目の組み合わせで、6月のウィーン・フィル定期演奏会(6月20日、21日、22日)が予定されていたが、カラヤンとトラブルが生じて、フルニエが降りエマニュエル・ブラベッツが替わって演奏したという演奏会から、和解をした演奏会と歴史は伝えている。

解説書にお二人の写真がないので、ザルツブルク音楽祭のプログラムより転載することとする。

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【ピエール・フルニエとルドルフ・シュトレング】

今後もライブ音源が多数CD化されることを望んでいる。

 

 

ギュンター・ブレースト・インタヴュー

ドイツ・グラモフォンのサイトにギュンター・ブレースト氏のインタヴューがアップされている。

 

 

カラヤンの1980年代のドイツ・グラモフォンにおける数々の録音を手がけた、豪腕プロデューサーである。

お元気な様子で、ご自身が手がけたレコードを手にとって語っておられる。

カラヤンと一緒に写っている写真を捜したところ、以下の3枚が見つかった。

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【「ばらの騎士」の完成プレゼンテーションにて】

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【「ドン・ジョヴァンニ」の完成プレゼンテーションにて】

カラヤン側近の一人で、「回想録」など当時の様子を出版してくれたらうれしいところだが。

ゴールド・ジャケット

レコード時代の1970年~80年代、ドイツ・グラモフォンには「シルバー・ジャケット」という規定があった。

これは、発売前よりある程度売り上げが見込まれる、いわゆる『定番』になり得る録音盤に対して、ジャケットを銀色で飾るというものである。

カラヤンの場合は、1970年録音の「クリスマス協奏曲集」と翌年に発売された「白鳥の湖/眠りの森の美女・組曲」の2枚が、シルバー・ジャケットに該当する。

マルタ・アルゲリッチカルロス・クライバーのレコードにも、それぞれシルバー・ジャケットがある。

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ところが、1972年録音のヴェルディ/レクイエムの箱は、金地にタイトルとカラヤンの顔が深紅色で抜かれるというものであった。

更に国内盤(MG9650~1)は金色の縦帯が付いて発売された。

これは、シルバー・ジャケットの上のゴールド・ジャケットと考えていいだろう。

もちろん、この録音は『定番盤』として、永く聴かれたアルバムであった。

シルバー・ジャケットは廉価版になっても、シルバー地で飾られることがあったが、70年代の録音には、時を経ても聴き継がれる録音がいくつも存在する。

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イエス・キリスト教会で行なわれた、1972年1月のヴェルディ/レクイエムの録音セッション。 ミレッラ・フレーニ、クリスタ・ルートヴッヒ、カルロ・コッスッタ、ニコライ・ギャウロフの布陣に、合唱指揮はヘルムート・フロシャウアーである。】